就寝前の一杯に――ある男のホテルバー体験記(フィクションです)
来月からの急な研修で、私は再び長崎の地を踏むことになった。小学生以来の修学旅行を除けば、大人になって二度目の訪問。前回は上司の勧めで選んだ大浴場付きのホテルがすっかり気に入り、今回も迷わず同じ宿を予約できたことに、出発前から胸をなでおろしていた。
※前回の話はこちら、https://hotel-h2.jp/diary/?p=3375、「旅先の癒やしはここに――ある男の大浴場体験(フィクションです)」
一ヶ月前、長崎への出張が決まったあの日から、私は密かにこの地での「大人だけの楽しみ」を心待ちにしていた。研修とはいえ、前回味わった大浴場の心地よさを再び堪能し、日頃の疲れをゆっくりと癒やす時間を想像していたのだ。

そして、研修初日の夜。期待通りのハードな一日を終え、たまたま同じ班になった東京から来た青年と、長崎の街で地元の味を堪能しホテルへと戻った。昼間とは一変した、夜の表情を見せるホテルの佇まいは、いつ訪れても私の心を捉えて離さない。

その中で、私の目を釘付けにしたのは、煌々と灯るバーのサインだった。以前来た時には気づきもしなかったその存在に、吸い寄せられるように中を覗き込むと、目に飛び込んできたのは黄金に輝くビールサーバー。こんなもの、前回はあっただろうか?

「風呂上がりに、一杯どうです?」
思わず青年を誘っていた。「いい酒を教えてやるよ」なんて、少しばかり調子に乗っていたかもしれない。
汗を流し、冷房の心地よいバーの空間へ。キンと冷えた生ビールを片手に、青年とグラスを合わせた。「乾杯!」。メニューブックを開くと、そこには驚くほど多種多様な長崎の地酒が並んでいた。「ゴトジン」、「よきつき」、「杵の川」…、有名どころがどれも1,000円以下で楽しめるというのだから、これは嬉しい。
バーテンダーさんが、今年の8月のリニューアルオープンでメニューを大幅に増やしたと教えてくれた。特に気になったのは「からすみチップス」。ボラの卵巣を塩漬け乾燥させた珍味だと聞き、一つ注文してみた。一口食べると、驚くほど濃厚な旨味が口いっぱいに広がり、それがまた、酒と最高の相性を見せる。正直、一杯だけで帰るつもりだったのに、これは他のお酒も試さずにはいられないと、すっかり心を奪われてしまった。

次に選んだのは「ゴトジン」。ジンにはあまり馴染みがなかった私だが、バーテンダーさんがすかさず説明をしてくれたおかげで、恥をかくことはなかった。聞けば、五島で作られたジンで、長崎由来のボタニカルをふんだんに使っているという。中には焙煎してから調合されているものもあり、なんとも香ばしい香りが印象的だった。

青年はジャパニーズウイスキーの「山崎」を頼んでいた。このバーでは、数々のジャパニーズウイスキーも1,000円以下で提供しているというから、その良心的な価格設定にはただただ感服するばかりだ。

長崎の酒と、目の前の若者に対して熱く語り合ううちに、私はすっかり心地よく酔いしれていた。子供の頃には知りえなかった、長崎の奥深い一面に触れた夜。このBar Kakuuchiは、まさに大人の秘密基地。長崎を訪れる際には、ぜひ一度、この隠れた名所を訪れてみてはいかがだろうか。
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Bar kakuuchi 1000円チケット付き
長崎の夕飯前、お風呂上りの一杯などなど、
ホテルの中でお酒を楽しみませんか?


